3輪トラックのダイハツミゼットはALWAY3丁目の夕日の鈴木オートの車として登場しました。

ALWAYS3丁目の夕日・ダイハツミゼット

昭和30年代の日本を舞台にした映画として有名なALWAYS3丁目の夕日は、一見地味な映画に見えつつもCGとミニチュアで当時の東京の様子を忠実に再現された予算と最新技術を惜しみなく投入された名作で、日本国内の映画賞を総なめにした作品です。

 

現在はシリーズ化されて3作品出ていて、日本テレビ系列の金曜ロードショーでは視聴率18.4%を記録するなど、2000年以降で大ヒットした邦画のひとつにもなっています。

 

同じようにシリーズ化された映画には当サイトでも紹介しているアウトレイジがあります。

 

 

監督がこだわったダイハツ・ミゼット

ミゼット

昭和30年代の雰囲気を出す為に日本全国のコレクターからテレビやラジオ・駄菓子などの小物を借り集めて製作された映画ですが、その中でも監督が強くこだわったのが鈴木オートが所有する
ミゼットです。

 

昭和30年代を象徴するアイテムとして必ずミゼットが必要との強いこだわりがあり用意されて、昭和中期ならではの雰囲気を出しました。

 

ダイハツミゼットとは3輪の軽トラックを更に小さくしたような車で、ミゼット(Midget)とは英語で超小型な物という意味を持っています。

 

映画の設定では、1作品目の舞台が昭和33年(1958年)となっていますが、その1年まえの昭和32年には小型トラックでそれまで主流だった3輪トラックの需要が減り、現在ではお馴染みの4輪トラックにシフトしていきました。

 

この動きにはダイハツも乗っかっていましたが、そんな時代の中でダイハツはそれまで車を買う事ができず、自転車やオートバイを使用していた個人商店などの中小規模の企業や事業主をターゲットに安価を売りにした当時は車検免除など税制面でも優れていた小型3輪軽トラックを作ったのが昭和32年発売のダイハツミゼットです。

 

当時の商店街や個人商店の定番の1台として下町などに並んでいた車になります。

 

 

実は細かい設定には矛盾がある

映画の中で登場するミゼットは最近の車の強度で例えるなら15年以上経過しているようなボロボロで色あせた車となっています。

 

でも実は映画の為に用意されたミゼットは元々は新車のようなピカピカに保存されていた車で、昭和の下町の雰囲気を出す為にわざわざ絵の具で色あせやサビを表現して、撮影終了後には絵の具を落としてピカピカの状態に戻す所までやるこだわりようだったとの事。

 

ですが・・・

  • 1作目の舞台になったのは昭和33年で映画に登場しているミゼットはスチールの屋根を選択でき丸ハンドルだったMP型でこのモデルが発売されたのは昭和34年の事
  • ちなみにミゼットは昭和32年発売の幌でドア無し。
  • バーハンドルのDK型と昭和34年発売で映画にも登場したドアや丸ハンドル。
  • ルーフは幌とスチールの一体型キャビンを選択できたMP型の2種類がありました。

 

厳密に時代設定とミゼットの事を照らし合わせると、発売前の時期に既にMP型があったというのと、昭和30年代であれば本来であればミゼットは最新車種になっている筈がわざわざピカピカの車両を絵の具で加工してまでボロボロに仕立て上げた設定は矛盾があります。

 

これはあくまでもフィクション映画で、細かくその年の状態を再現するのではなく、みんなが思い描く昭和半ばの戦後の日本を描くために必要な演出という事になります。

 

細かい年号は合わなくても昭和30年代~40年代にかけては個人商店の代名詞となっていたミゼットは映画には必要不可欠なアイテムだったのです。

 

 

3輪タイプは中古車ではほとんど出回っていない

3輪タイプのミゼットは50年以上前の型となり、現在では博物館レベルの旧車になり中古車市場ではほとんど流通していません。

 

しかし小さい規模のそれまでは車を買えなかったような個人商店でたくさん売れたヒット車種だったので、代替えせずに乗り潰す人が多く、実働車はなくても、不動車として店頭や倉庫の奥に放置されている車も多くあります。

 

現在中古車市場に出ているミゼットⅡは4輪タイプの1人乗りでスペアタイヤがボンネットに付いているのが特徴の1台です。

 

こちらも発売されていたのは平成8年~平成13年(1996-2001)で希少性も高く他の同年代の軽トラックよりもプレミア価格が発生して20万円~30万円と高く取引されています。